MENU

アフターピルは薬局(マツキヨ・ツルハ等)でも買える?誰にも会わずにすぐにオンライン購入する方法はあるの?

アフターピルは薬局(マツキヨ・ツルハ等)でも買える?誰にも会わずにすぐにオンライン購入する方法はあるの?

アフターピルが急に必要になった時、「薬局で買えるのか」「人に知られずに購入する方法はあるのか」と不安になる女性は少なくありません。

現在、一部薬局(マツキヨやツルハドラッグなどの数店舗を含む)では、厚生労働省の調査事業の一環として試験的にアフターピルの取り扱いが開始されており、条件を満たせば薬局・ドラッグストアで購入することができます。しかし、店舗数も限定的で普通の市販薬のように購入できないのが現状です。

より確実で迅速な選択肢として、オンライン診療があります。最短当日配送で自宅に届き、誰にも会わずに済むため、プライバシーを完全に守れます。

本記事では薬局での購入方法と価格、そして24時間対応のオンライン診療の手順を詳しく解説します。緊急時でも安心して適切な選択ができるよう、必要な情報をまとめました。

72時間アフターピルの費用

対面診療7,000円〜1万5千円前後
オンライン診療1万円〜1万5千円前後(送料や診療費込)
薬局の試験販売7,000円〜9,000円程度

この記事の監修者

株式会社シセイ(だいだい薬局) 代表取締役 河村達生

株式会社シセイ(だいだい薬局)
代表取締役 河村達生

だいだい薬局 Instagram
だいだい薬局 Facebook

2018年に名古屋市天白区で設立された調剤薬局で、愛知県を中心に複数店舗を展開しています。

単に処方薬を提供するだけでなく、在宅医療支援、食事・運動・睡眠といった生活面へのアドバイス、体験型健康教室や地域連携事業にも注力し、地域住民の健康と安心を支えることを目指しています。

代表メッセージ

会社概要

目次

【最速対応】アフターピル処方可能なオンライン診療おすすめ3選

緊急時にアフターピルが必要になった際、時間との勝負となる状況で頼りになるのがオンライン診療サービスです。

最短5分診療のソクピル、24時間診療対応のエニピル、超特急便で最短1時間のお届けが可能とするエミシアクリニックなどのスピーディなオンライン診療サービスが注目されています。これらのサービスはそれぞれ独自の強みを持ち、利用者の緊急性や地域、時間帯に応じて最適な選択肢を提供しています。

サービス選択時の重要なポイントは、次の4つです。

  • 診療時間
  • 配送速度
  • 対応エリア
  • 料金体系

緊急性を重視するなら配送速度、費用を抑えたいなら料金体系、深夜・早朝の利用なら診療時間を優先すると良いでしょう。

現在、国内で承認されているアフターピルは「ノルレボ」とそのジェネリックである「レボノルゲストレル」ですが、これらは72時間用のアフターピルです。

そのほか、日本で認可はされていませんが120時間以内の服用のアフターピルをクリニックで処方される場合があります。こうした未承認の薬は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となりますのでその点には注意してください。

スクロールできます
診療時間72時間用アフターピル
(税込)
120時間用アフターピル
(税込)
特急配送
オプション
(税込)
通常配送特急配送
オプション
特急配送対応エリア
ソクピル
ソクピル

詳細はこちら>>
24時間13,255円
薬代8,800円
システム利用料3,630円
配送料825円
20,955円
薬代16,500円
システム利用料3,630円
配送料825円
+9,900円最短翌日
(17時まで決済完了)

エクスプレス配送:最短1時間
(東京23区は17時半まで決済完了)
(関東圏は当日10時まで決済完了
東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、栃木県、茨城県、山梨県、群馬県、名古屋市、大阪市
エニピル
エニピル

詳細はこちら>>
24時間14,828円
薬代10,978円
システム利用料3,300円
配送料550円
14,828円
薬代10,978円
システム利用料3,300円
配送料550円
+9,900円最短翌日
離島は+1日
(15時まで処方・支払完了)
バイク便:最短当日
(15時まで処方・支払完了)

東京都・神奈川県・埼玉県(戸田市、和光市、川口市、草加市)・千葉県(千葉市、浦安市、市川市、船橋市、習志野市)
エミシアクリニック10:00~19:0010,714円
薬代8,778円
診療費1,078円
配送料858円
17,600円
薬代15,950円
診療料825円
配送料825円
+1,426円〜最短翌日
(17時まで決済完了)
超特急便:最短1時間
(19時まで決済完了)
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県

ソクピルは最短5分診療で即日発送対応

ソクピル

ソクピルはミライメディカルクリニックが運営する、アフターピルに特化したオンライン診療サービスです。

独自の問診システムにより、最短5分でオンライン診療の完了が可能です。避妊専門の医師が在籍しているため、短時間でも的確な診断と処方が可能となっています。LINEを活用した簡潔な問診フローで、必要最小限の情報で迅速に医師判断まで進められます。

関東圏では当日10時まで、東京23区では17時30分までの決済完了でエクスプレス配送を利用でき、最短1時間でアフターピルが手元に届きます。通常配送でも17時までの決済完了で当日発送、翌日配送が可能です。

「とにかく早く処方してほしい」「診療に時間をかけられない」「仕事の休憩時間で手続きを済ませたい」という利用者のニーズに応える、スピード重視のサービス設計が特徴です。

診療時間24時間
配送速度通常配送:17時までの決済完了で最短翌日着
エクスプレス配送:
関東圏は当日10時までの決済完了、
東京23区内は17時30分までの決済完了で最短当日到着
対応エリア通常配送:全国
エクスプレス配送:東京、千葉、神奈川、埼玉、
栃木、茨城、山梨、群馬、名古屋市、大阪市のみ
診療費
システム使用料
(税込)
3,630円
送料(税込)通常配送:825円
エクスプレス配送:9,900円
アフターピル薬代
(税込)
72時間有効:8,800円
120時間有効:16,500円
※医師による診察後、処方を受けた場合のみ無料

エニピルは24時間診療対応で最短当日配送

エニピル

エニピルは24時間診療対応で、医師によるオンライン診療を受けられる体制を整えています。

医師が常時待機しているため、思わぬタイミングでアフターピルが必要になった場合でも相談が可能です。他社では対応時間が限られている場合があるため、エニピルの24時間体制は大きな差別化ポイントとなっています。

この24時間対応の体制は、夜間の緊急事態や早朝の不安な状況、土日祝日の緊急時に特に威力を発揮します。仕事で帰宅が遅い方、シフト制で勤務時間が不規則な方、学業や家事で日中時間が取れない方にとって、時間を気にせずに医師に相談できる環境は心強い味方となるでしょう。

対応エリアが限られるものの、配送についても最短当日配送に対応しており、緊急性の高いアフターピル処方において重要な要素となっています。

診療時間24時間
配送速度通常配送:
15時までの処方と薬代の支払完了で当日発送、最短翌日着
バイク便:
17時30分までの支払完了で当日中のお届け
対応エリア通常配送:全国
バイク便:東京都、神奈川県、
埼玉県(戸田市、和光市、川口市、草加市)、
千葉県(千葉市、浦安市、市川市、船橋市、習志野市)限定
診療費無料
システム使用料
(税込)
3,300円
送料(税込)通常配送:550円
バイク便:9,900円
アフターピル薬代
(税込)
72時間有効
単品10,978円
2個セット18,150円(送料無料)

120時間有効
単品10,978円
2個セット18,150円(送料無料)

エミシアクリニックは最短1時間の当日お届けも可能

エミシアクリニック

エミシアクリニックは美容医療やオンライン診療を行っている、東京渋谷にあるクリニックです。

19時までに手続きを完了すれば最短1時間でアフターピルが届く超特急便サービスを提供しています。LINE診療で約5分という短時間での診療完了も可能です。なお、問診の受付は24時間ですが、診察時間自体は10時から19時までとなっていますのでその点には注意しましょう。

関東エリア(東京・埼玉・神奈川・千葉)では超特急便により最短1時間での配送が可能で、時間的余裕がない状況でも安心して利用できる体制が整っています。

通常配送でも最短翌日配送に対応しており、早ければ翌日には受け取れます。

診療時間10時〜19時(申込受付24時間)
配送速度通常便:17時までの決済完了で当日発送・最短翌日お届け
超特急便:19時までの決済完了で当日発送し当日お届け可能
対応エリア通常便:全国
超特急便:東京・埼玉・神奈川・千葉
診療費72時間有効:1,078円
120時間有効:825円
システム使用料
(税込)
送料(税込)【通常便】
72時間有効:858円
120時間有効:825円
超特急便:1,426円〜(※距離によって変動)
アフターピル薬代
(税込)
72時間有効(3日以内服用):8,778円
120時間有効(5日以内服用):15,950円

オンライン診療でアフターピルを安全に処方してもらうポイント

オンライン診療でアフターピルを安全に処方してもらうポイント

オンライン診療でアフターピルを安全に処方してもらうには、医師との適切なコミュニケーションと事前準備が欠かせません。

厚生労働省の指針に基づいたオンライン診療では、研修を受けた医師により初診から緊急避妊の診療が可能ですが、患者側の正確な情報を提供することが治療効果を左右する重要なポイントになります。

医師に正確に伝えるべき情報や症状・服用歴

アフターピルの適切な処方には、以下の正確な情報が必要になります。

  • 最終月経開始日
  • 性交渉があった日時
  • 避妊失敗の詳細(コンドーム破損、低用量ピル飲み忘れなど)

こうした情報は、医師が処方の可否を決める重要な判断材料です。過去の月経などの情報を的確に聴取し判断する必要があるとされています。

また、現在服用中の薬剤やアレルギー歴、既往歴(特に肝障害、心疾患、血栓症の有無)も必ず申告しましょう。

オンライン診療でも、医師は対面診療と同じように患者の身体の状態を把握する必要があります。そのため、恥ずかしいと感じる内容もあるかもしれませんが、正直かつ詳細に情報を伝えることが安全な処方への第一歩となります。

他の薬との飲み合わせについての確認ポイント

アフターピルを服用する際は、他の薬との飲み合わせに注意が必要です。一緒に服用している薬によっては、アフターピルの効果が弱くなってしまう可能性があるからです。

特に、以下のような薬を服用中の場合は、アフターピルの効果を著しく低下させる可能性があるため、必ず医師に伝えてください。

  • 抗けいれん剤(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピン)
  • HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル)
  • 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エファビレンツ)
  • リファブチン
  • リファンピシン

また、サプリメントや漢方薬、市販薬も申告の対象です。特にセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含有する食品はアフターピルの効果を低下させることがわかっているため、摂取しないよう注意が必要です。

参考:緊急避妊法の適正使用に関する指針|日本産婦人科学会

お薬手帳を準備したり、服用薬のリストを作成するなどして伝え漏れがないようにすることが大切です。そうすることで、医師が適切な判断を下せるようになります。

副作用が出た時のオンライン相談と対応

副作用に関する説明は医師から必ず受けるようにしましょう。アフターピル服用後に現れる副作用は以下のようなものが報告されています。

  • 消退出血
  • 不正子宮出血
  • 頭痛
  • 悪心、倦怠感、傾眠 など

参考:緊急避妊剤レボノルゲストレル錠 添付文書|富士製薬工業

ただし、服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、追加服用の必要があるかもしれないため、医師への速やかな相談が必要です。

多くのオンライン診療サービスでは、アフターピル処方後に24時間医療相談や緊急時のオンライン対応機能を提供しています。服用前にこれらのサポート体制があるかどうかを確認し、いざという時の連絡方法を把握しておきましょう。

万が一、強い腹痛や大量出血、呼吸困難など重篤な副作用が出現した場合は、オンライン相談では限界があるため、迷わず緊急医療機関を受診する判断をしましょう。

アフターピル服用期限は?オンライン診療の利用手順と注意点

アフターピルは性交後できるだけ速やかに服用することが重要です。服用時期ごとの妊娠阻止率は次のようになっています。

  • 24時間以内の服用 95%
  • 25〜48時間の服用 85%
  • 49〜72時間の服用 58%

※経口レボノルゲストレル製剤

オンライン診療なら24時間対応のクリニックも多く、地域によりますが最短当日から翌日にはアフターピルの処方を受けることも可能です。

オンライン診療を初めて利用する方でも迷わず進められる詳細手順と、時間短縮のコツを具体的に解説します。

参考:緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版)第四章 緊急避妊方に関する追加事項|日本産婦人科学会

初診からオンライン診療OK処方まで最短10分も

アフターピルは産婦人科医または厚生労働省が指定する研修を受講した医師によって初診からオンライン診療で薬の処方が可能で、クリニックによってはサイト登録から処方確定まで最短10分程度というところもあります。

多くのクリニックがLINEや専用アプリでの受付に対応しており、問診票入力から医師によるオンライン診察、決済まで一連の流れがスムーズに進行します。

事前に入力した問診票の内容を医師が確認し、スマートフォンやパソコンでオンライン診察を受けたあと、アフターピルの処方という流れになっています。

本人確認と問診で準備すべき情報

オンライン診療では本人確認として、保険証・運転免許証・マイナンバーカード・学生証などといった身分証明書が必要です。スマートフォンで撮影してアップロードするため、事前に画質が鮮明で文字が判読できることを確認しておきましょう。

問診票の主な入力項目は、現在の状況(最終月経開始日、月経周期、妊娠・授乳の有無)、現在服用中の薬剤、アレルギー歴、過去のピル使用歴などです。

特に最終月経日は避妊効果を判断する重要な情報のため、正確な日付を準備してください。服用中の薬剤がある場合はお薬手帳の写真も用意しておくと診察がスムーズに進みます。

配送先指定と受け取り方法の選択肢

オンライン診療でアフターピルを処方してもらう際、ご自身の状況に合わせて配送先や配送方法、受け取り方法を選ぶことができます。

薬の配送については職場・実家など自宅以外への配送に対応するクリニックもあります。また、匿名配送や中身が分からない梱包サービスを提供しているところもあるので、家族に知られたくない場合でも安心です。

配送は通常配送と追加料金ありの特急便が用意されているクリニックが多いです。通常配送であれば指定時間までの決済で当日発送・最短翌日お届け、特急便なら東京23区など対応エリアに限り当日お届け可能など、配送方法を選べるようになっています。

一部のオンライン診療では、指定薬局での受け取りも選択可能です。この場合、診察後1時間程度で処方箋がFAXされ、薬局で薬剤師の面前での服用が求められます。確実性を優先する場合は薬局受け取り、プライバシーを重視する場合は自宅配送と、状況に応じて使い分けることができます。

アフターピルは試験的・限定的に一部の薬局で購入できる

アフターピルは試験的・限定的に一部の薬局で購入できる

2025年時点では全国約300店舗以上の薬局で、アフターピルの試験販売が実施されています。これは厚生労働省の委託事業として、日本薬剤師会が主体となって行う調査研究です。通常の薬局販売とは異なり、医師の処方箋なしでアフターピルを購入できます。

試験的販売でアフターピルを入手する場合、一般的な市販薬のように手軽に購入できるわけではありません。研究目的の試験販売のため、以下のような流れになっています。

  • 取り扱い薬局リストから薬局を選ぶ
  • 事前の電話相談(本人)
  • 薬剤師との詳細な面談
  • 研究参加への同意
  • 薬剤師の面前で緊急避妊薬の服用
  • アンケートへ回答(1回目)
  • 約3週間後に妊娠の有無を検査薬または産婦人科受診により確認
  • アンケートへ回答(2回目)

薬局での購入価格は7,000〜9,000円程度で、これに加えて妊娠検査薬の費用(1,000〜1,500円)も発生する場合があります。

試験販売では72時間用のアフターピル(レボノルゲストレル錠1.5mg)のみを取り扱っており、薬剤師の面前での服用が義務付けられているため持ち帰りはできません。具体的にどの薬局で購入できるのか、このあと詳しく解説します。

試験販売実施薬局の場所と営業時間

大手チェーン薬局では、マツモトキヨシが1店舗、ツルハドラッグでは4店舗、ウエルシアでは3店舗などが試験販売に参加しており、大手でも非常に限定的な実施となっていることがわかります。各薬局の営業時間は通常の調剤業務と同様で、薬剤師が在籍する時間帯のみの対応です。

ただし、営業時間外の相談対応を「有」とする店舗もあるため、営業時間外で相談したい場合には時間外連絡先への相談も可能です。

地域別では、東京や大阪などの都市部に多く、1都道府県あたり3店舗〜程度の配置となっているのが現状です。北海道から沖縄まで全国に分散配置されているものの、地方では薬局まで相当な距離がある場合も少なくありません。

購入を検討する場合は、事前に最寄りの対象薬局を確認し、緊急避妊薬が売り切れていないか、また営業時間と薬剤師の在籍時間を電話で問い合わせることが重要です。

薬局での購入に必要な条件と年齢制限

薬局でアフターピルを購入するには、16歳以上の女性本人である必要があります。16歳未満の方は購入対象外となり、16〜17歳の未成年者は保護者の同意書と薬局への同伴が必須条件です。

また、調査研究として本人確認が必要なため、身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)の提示も求められます。未成年の場合は保護者の本人確認も必要です。

事前質問書に記入後、薬剤師との面談では、販売可能かどうかの確認が行われます。医学・薬学的に服用が適切でないと判断された場合は購入できません。

また、販売できない方として次のような方が挙げられます。

・男性
・代理人
・研究参加に同意できない方
・妊娠中の方
・妊娠が心配な性交から服用までの時間が72時間を超える方
・身体の状態によって使用できない方(重篤な肝障害がある方など)
・16歳未満の方
・日本語でのコミュニケーションが困難な方

購入拒否となった場合は、薬局が連携する産婦人科への案内や、適切な医療機関の紹介が行われます。調査研究への参加同意やアンケート回答(2回)も必須であり、これらの条件をすべて満たした場合のみ、薬剤師の面前でアフターピルを服用することができます。

一般の薬局でアフターピルを購入できない理由

一般の薬局でアフターピルを購入できない理由

アフターピルが薬局で購入できない理由は、法律で「処方箋医薬品」、つまり処方箋がないと使えない薬と決まっているからです。医師の専門的な判断なしには安全な服用が困難とされ、薬剤師の権限範囲では適切な指導に限界があるためです。

緊急避妊における医学的リスクの評価や、個人の体質・病歴に応じた適応判断は、医師の診断権限に属する業務とされています。

このあと、処方箋医薬品制度についてと、薬剤師と医師のそれぞれの役割についてさらに詳しく解説します。

処方箋医薬品のため医師の診察が必要

アフターピルが処方箋医薬品に分類されているのは、薬を安全に、そして効果的に使うための大切なルールだからです。この薬は副作用のリスクや個人の体質による影響が無視できないため、服用する前に必ず医師の専門的な評価を受けることが義務付けられています。

医師の診察では、あなたに合った処方かどうかを慎重に判断します。血栓症リスクの評価、既往歴の確認、他薬剤との相互作用チェック、特に心血管系疾患、肝機能障害、妊娠の可能性がある場合、これらの判断には、専門的な医学知識が欠かせません。

また、服用後に副作用が出た場合の対応や、薬の効果がしっかり出たかの確認といったフォローアップも重要です。これらもすべて、医師の継続的な管理のもとで行うことで、あなたの安全が守られます。

処方箋医薬品の制度は、こうした包括的な視点から、医療の安全性を守るための法的な仕組みなのです。

薬剤師だけでは適切な指導ができない

薬剤師がアフターピルを適切に指導できないのは、医師の診断が必要な医薬品だからです。

薬剤師の仕事は、医師が出した処方箋に基づいて調剤すること、そして安全な使い方を説明する服薬指導です。医師の診断権限とは法的に明確に区分されています。

アフターピルを服用する前に必要な医学的な判断は、薬剤師が対応できる範囲を超える専門性が求められるからです。

緊急避妊における医師関与の重要性は、単なる薬の説明を超えた総合的な医療判断にあります。月経歴の詳細な聴取、妊娠リスクの評価、避妊失敗の背景確認など、産婦人科領域の専門知識が不可欠な要素が多数含まれています。

服薬指導と医師診察の違いは、既に決まった処方に対して安全な使い方をサポートするか、そもそも処方して良いかを判断するかにあります。

薬剤師は処方された薬が安全に使われるようサポートする役割であり、処方の可否を決める権限はありません。緊急避妊のような専門的な医学的判断を伴う場面では、医師の診察が安全性を確保する上で最も重要になります。

オンライン診療が利用できない時の緊急対処法

オンライン診療でシステム障害や通信トラブルが起きた場合でも、72時間以内にアフターピルを確実に入手できるよう別の手段を準備しておくことが大切です。

そうした緊急時に取れる手段として、夜間や休日も対応している産婦人科クリニックや総合病院の救急外来での処方という選択肢があります。

最近では、365日年中無休で対応する医療機関も増加傾向にあります。ただし、救急外来を受診する際には事前に電話で受け入れ可能か確認が必要です。いざという時のため、あらかじめ複数の選択肢を調べておくことが大切です。

最寄りの総合病院や救急外来でのアフターピル処方

総合病院や救急外来でのアフターピル処方については、一部の病院で診療可能なケースもあります。

時間外で救急外来を受診する場合の費用は、アフターピル代(7,000〜15,000円)に加えて救急外来診察料(通常の診察料より高額)が発生するため、総額は1〜2万円程度となる場合が多いようです。

ただし、夜間や早朝は診療時間内の受診を勧められることがあるため、事前に電話での確認が不可欠です。

夜間・休日対応の産婦人科クリニック一覧

緊急避妊の診察ができる夜間や休日対応の産婦人科クリニックについては、以下のような病院検索システムを使って探すという手もあります。

また、地域の休日当番医も選択肢の一つになるでしょう。

その他、休日対応として以下のような産婦人科クリニックがあります。

クリニック名エリア特徴 (公開情報に基づく)
アフターピル大阪クリニック大阪(梅田)・日曜、祝日、早朝も営業が多い
・自由診療
新宿駅前さくらレディースクリニック東京(新宿)・土日祝日営業
・夜21時まで診療
池袋クリニック東京(池袋)・土曜日も対応
的野ウィメンズクリニック神奈川(横浜)・土曜日も対応
いおうじ応急クリニック三重(松阪)・日曜・祝日・夜間も対応

アフターピル購入で避けるべき危険な薬局・通販サイト

インターネット上には処方箋不要でアフターピルを販売する違法サイトや個人輸入代行業者が存在しますが、偽造品や健康被害のリスクが極めて高い危険な選択肢です。厚生労働省も個人輸入医薬品による健康被害について注意喚起を行っています。

参考:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省

違法業者は「医師の診察不要」「格安価格」で消費者を誘引しますが、個人輸入代行業者を通じた薬剤転売は薬機法違反にあたります。正規オンライン診療との見分け方や、安全な入手方法について詳しく解説していきます。

個人輸入代行サイトの偽造品リスク

厚生労働科学研究成果データベースによると、個人輸入代行サイトで入手したバイアグラ錠など212件のうち、74件が偽造医薬品であったという調査結果が出ています。

個人輸入の薬は、品質・有効性・安全性の確認がされていません。そのため、有効成分が全く含まれていない錠剤や、重金属などの有害物質が混入した製品が海外で見つかるなどしています。

実際に、インターネットで購入した医薬品を使った30代女性が、食欲不振・吐き気・嘔吐・黄疸を発症した事例も報告されています。成分不明のアフターピルで避妊効果が全く期待できず、妊娠に至ってから偽造品と判明してからでは遅いのです。

参考:健康被害などリスクにご注意! 海外からの医薬品の個人輸入|政府広報オンライン

税関では「知的財産侵害物品」として偽造医薬品の摘発を強化しており、個人輸入であっても違法行為として処罰される可能性があります。さらに個人輸入医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外となり、治療費は全額自己負担となってしまうリスクがあります。

処方箋なしで販売する違法なサイトの見分け方

薬局は所在地の都道府県知事による薬局開設許可を受け、許可番号を店舗内の見やすい場所に掲示することが義務付けられています。許可番号は「○○第××××号」の形式で表示され、薬局のホームページなどで確認することが可能です。

「処方箋不要」「医師の診察なしでOK」「海外正規品」などの表現が多用された違法なサイトでは、薬局開設許可番号の記載がない、または虚偽の番号が記載されている場合があります。

厚生労働省では「医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイト」への通報を呼びかけており、過去には無許可営業で摘発されたケースも複数報告されています。利用前には必ず薬局開設許可番号を確認し、疑わしいサイトでは購入を避けることが重要です。

アフターピル服用後のフォローアップとオンライン相談

アフターピル服用後は、避妊成功の確認と継続的な医療サポートが不可欠です。

服用後3週間以内に産婦人科での対面診療等を受け、妊娠の有無を確認することが推奨されています。オンライン診療プラットフォームでは24時間LINEなどによる医療相談や包括的なアフターケア体制を整備しています。

服用後の具体的なフォローアップ方法について、詳しく解説します。

服用後の生理周期の変化と次回生理予定の確認方法

アフターピル服用後は月経周期の乱れがよくみられ、約50%の女性が数日程度の月経周期のずれを経験しています。

服用後の月経については、80%以上の女性が生理予定日の前または2日後以内、95%の女性が次回予定月経日の7日後以内に月経が来るとされていますが、服用のタイミングや排卵状況により個人差があります。

もし、生理が予定より7日以上遅れたり、通常よりも出血量が少ないと感じた場合には妊娠検査を受ける必要があります。また、服用後3週間を経過しても月経がない場合は、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診してください。

継続的な避妊相談と低用量ピル処方への移行

アフターピルは性行為のあとに飲む薬であり、服用後の性行為に対して避妊効果が期待できるものではありません。

もし継続的に予期せぬ妊娠を避けたいのであれば、より確実な長期避妊方法への移行が必要です。

低用量ピルの失敗率は0.3〜8%と高い避妊効果があります。ピルの飲み忘れによりアフターピルを服用した場合には、アフターピル服用後12時間以内にピルを再開します。低用量ピルを服用中にアフターピルを処方してもらう場合には、必ず医師にピルを服用中であることを伝えましょう。

参考:緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版)|日本産婦人科学会

目次